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SUS403について詳しく解説!


SUS403は、日本工業規格(JIS)におけるステンレス鋼のグレードです。一般的にはASTM規格での呼称であるType 403ステンレスとも知られています。SUS403は、耐食性よりも耐磨耗性や切削性に重点を置いたマートンシティックステンレス鋼であり、特定の工業用途に適した性質を持っています。

SUS403化学組織について

SUS403(Type 403ステンレス)の主な成分は、以下の通りです。

  1. クロム (Cr): 11.5-13.5%
  2. ニッケル (Ni): 最大0.6%
  3. マンガン (Mn): 最大1.0%
  4. シリコン (Si): 最大0.5%
  5. 硫黄 (S): 最大0.03%
  6. リン (P): 最大0.04%
  7. 炭素 (C): 0.15-0.25%
  8. 鉄 (Fe): 残りの成分

これらの成分が組み合わさって、SUS403は耐磨耗性や切削性を提供する特性を持っています。クロムの含有量が高いため、酸化皮膜の形成による耐食性もある程度持っていますが、他のステンレス鋼に比べて耐食性は低くなります。

ただし、成分は製造メーカーや規格によって若干異なる場合がありますので、具体的な材料の成分を確認する際には、製品仕様書やデータシートを参照することをお勧めします。

SUS403(Type 403ステンレス)の主な特性と用途について詳しく説明します。

特性について

  1. 耐磨耗性: SUS403は、他のステンレス鋼よりも優れた耐磨耗性を持っています。これにより、摩耗に対する耐性が求められる部品やアプリケーションに使用されることがあります。
  2. 切削性: 切削加工や工具製造に向いており、鋼材を加工する際に高い切削性を提供します。
  3. 耐食性: 他のステンレス鋼に比べて耐食性は低く、一般的な環境での腐食に対しては注意が必要です。

用途について

  1. 工具: SUS403は切削工具、工業用のナイフ、刃物などの製造に使用されることがあります。その耐磨耗性と切削性が、これらのツールの性能を向上させます。
  2. ベアリング: 耐磨耗性が求められるベアリングや軸受などの部品にも使用されます。
  3. 精密部品: 高い切削性から、精密部品の製造や加工に利用されることがあります。

一般的な耐食性や耐高温性を求められる場面では、他のステンレス鋼グレードが適していることが多いため、SUS403は特定の用途に特化した材料として扱われます。用途に応じて適切なステンレス鋼を選択する際には、その特性と制約を十分に理解することが重要です。