SUS440について詳しく解説!
SUS440は、日本工業規格(JIS)におけるステンレス鋼のグレードです。一般的にはASTM規格での呼称であるType 440ステンレスとも呼ばれています。SUS440は、高硬度、耐摩耗性、耐食性を持つマートンシテックステンレス鋼であり、刃物やベアリング、特定の工業用途に適しています。
SUS440化学組織について
SUS440(Type 440ステンレス)の主な成分は、以下の通りです。
- クロム (Cr): 16.0-18.0%
- モリブデン (Mo): 最大0.75%
- バナジウム (V): 最大0.1%
- 炭素 (C): 0.95-1.20%
- リン (P): 最大0.04%
- 硫黄 (S): 最大0.03%
- シリコン (Si): 最大1.00%
- マンガン (Mn): 最大1.00%
- 鉄 (Fe): 残りの成分
これらの成分が組み合わさって、SUS440は高硬度と耐摩耗性を提供する特性を持っています。主にクロムと炭素の含有量が高く、これが硬度と切削性の向上に寄与しています。
ただし、成分は製造メーカーや規格によって若干異なる場合がありますので、具体的な材料の成分を確認する際には、製品仕様書やデータシートを参照することをお勧めします。
SUS440(Type 440ステンレス)の主な特性と用途について詳しく説明します。
特性について
- 硬度: SUS440は非常に高い硬度を持ち、熱処理によって更に硬化できます。これにより、刃物などの耐摩耗性が向上します。
- 切削性: 切削工具や刃物の製造に適した切削性を持っています。
- 耐摩耗性: 高い硬度と耐摩耗性が求められる刃物やベアリングなどの部品やアプリケーションに使用されます。
- 耐食性: クロムの含有量が高いため、他のステンレス鋼に比べて一般的な腐食にも耐える耐食性を持っていますが、耐食性が重要な場面では他のステンレス鋼がより適していることがあります。
用途について
- 刃物: 包丁、手工具、産業用刃物などの製造に広く使用されます。高い硬度と耐摩耗性が切れ味と耐久性を向上させます。
- ベアリング: 耐摩耗性が求められるベアリングや軸受などの部品にも使用されます。
- 産業用途: 特定の工業用途で高硬度や耐摩耗性が求められる部品に使用されることがあります。
SUS440は、その高硬度と耐摩耗性によって、特に刃物やベアリングといった耐摩耗性が求められるアプリケーションで重要な役割を果たしています。耐食性が他のステンレス鋼に比べて劣るため、環境や用途によっては適切な選択であるか検討する必要があります。