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SUS444について詳しく解説!

SUS444は、日本工業規格(JIS)におけるステンレス鋼のグレードです。一般的にはASTM規格での呼称であるType 444ステンレスとも呼ばれています。SUS444は、高い耐食性と耐熱性を持つフェライト系ステンレス鋼であり、特に耐酸性が求められる環境や高温環境で使用されることがあります。

SUS444化学組織について

SUS444(Type 444ステンレス)の主な成分は、以下の通りです。

  1. クロム (Cr): 17.5-19.5%
  2. モリブデン (Mo): 1.75-2.50%
  3. チタン (Ti): 最大0.80%
  4. 硫黄 (S): 最大0.03%
  5. リン (P): 最大0.04%
  6. 炭素 (C): 最大0.025%
  7. 鉄 (Fe): 残りの成分

これらの成分が組み合わさって、SUS444は高い耐食性と耐熱性を提供する特性を持っています。クロムの含有量が高く、モリブデンの添加が耐酸性と耐食性を向上させる要因となっています。また、チタンの添加によって粒界腐食(グライニング腐食)への耐性が向上します。

ただし、成分は製造メーカーや規格によって若干異なる場合がありますので、具体的な材料の成分を確認する際には、製品仕様書やデータシートを参照することをお勧めします。

SUS444(Type 444ステンレス)の主な特性と用途について詳しく説明します。

特性について

  1. 耐食性: SUS444は耐食性に優れており、硫酸や硝酸などの強酸性環境に対する耐性があります。これにより、化学プラントや酸洗浄装置などで使用されることがあります。
  2. 耐熱性: 高温環境にも耐える特性を持ちます。これにより、高温での使用が要求されるアプリケーションに適しています。
  3. 磁性: フェライト系ステンレス鋼は一般的に磁性を持つ傾向があり、SUS444も磁性を持ちます。

用途について

  1. 化学プラント: 強酸性環境や腐食性のある液体を扱うプラントや装置で使用される耐食性の高い材料として利用されます。
  2. 石油・ガス産業: 石油精製プラントや海上プラットフォームなどで、耐食性と耐熱性が求められる部品に使用されることがあります。
  3. 熱交換器: 高温での熱交換を行う熱交換器などの部品にも適しています。
  4. 建築材料: 耐食性が求められる外部材料や特定の環境での建築材料に使用されることがあります。

SUS444は、その耐食性と耐熱性を活かして、特に化学プラントや高温環境での使用が要求される産業分野で重要な役割を果たしています。